胃がん:8割がピロリ菌原因 WHO報告


 世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC、本部フランス)は24日、胃がんの8割がピロリ菌の感染が原因で、除菌で胃がんの発症を3〜4割減らせるとの報告書を発表した。国内事情に応じて、除菌による胃がん予防対策を検討するよう各国に求めた。

 "IARCは1994年にピロリ菌を発がん要因と分類したが、胃がんの主要な原因であると認めたのは初めて。特に、日本人に多い胃の入り口(噴門部)以外の胃がんでは、9割の原因であると推測されるという。"

 "報告書は国際的な専門家で構成される作業部会が、従来の研究結果や疫学調査を精査してまとめた。(共同)"


また、胃がんは2012年の時点で世界で約100万人が発症して約72万人が死亡しており、日本では約10万人が発症して約5万人が死亡しているとのこと。


これほど原因が明らかになっているのなら、徹底的に除菌したら良いのではないか
と思ったので、ピロリ除菌による経済効果を試算してみました。


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ピロリ菌は、日本人の3人に1人の割合で胃の中にいると言われています。
▼参考
ヘリコバクター・ピロリ

2003-09-26-16-21-44


現在、ピロリ除菌代に関しては2013年2月22日から胃潰瘍や十二指腸潰瘍に加えて、慢性胃炎に対しても、
保険が適用されるようになりました。

料金は一般的に5000~6000円で検査除菌できます。
(3割負担の健康保険)


検査のみだと以下があります。

デメカル ピロリ菌検査キット [ヘルスケア&ケア用品]【送料無料】【血液検査キット】
価格:6,200円(税込、送料込)






安いのでは3000円を切ります。

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仮に、50才以上の人口を約5000万人、ピロリ菌の検査代を約4000円、除菌代を約6000円とすると、

検査代:5000万×4000円=2000億円

3人に1人がピロリ保菌者とすると、

治療代:1500万人×6000円=900億円
(国の健康保険料は1500万×14000円(7割)
=2100億円)

合計 2900億円
(国の健康保険料をたすと5000億円★)

となります。

また、
がんは日本人の死因の約30%であり、

胃がんの割合はがん全体のうち、約15%とのこと。


したがって、30%×0.15の4.5%が胃がんで亡くなるということになります。


よって、50才以上の約5000万人のうち、
仮に5000万人×4.5%=225万人の4割(90万人)の胃がんを未然に防げたら、

90万人×300万円=2.7兆円
-かかったコスト約5000億円★
= 2.2兆円の利益

となります。


***


もちろん、胃がんにならなかった患者も他の疾患で亡くなることもありますし、他にかかる年金等の費用、逆に胃がんにならなかったことによって生じた労働力等、他にも色々と考えられます。

しかし、明らかな胃がんの原因が除菌で対応できるのであれば、国を挙げて取り組んでも良いのではないかと思います。

あるいは2.2兆円という数字を市場規模と考えると、ピロリ菌だけで一つの業界に匹敵する規模です。


国にしろ民間にしろ、本腰入れて取組む必要があるかも知れません。