診療明細ビジネス:情報を匿名化し販売 個人特定の恐れも

" 個人がどんな治療を受けたかを記録した診療報酬明細書(レセプト)の情報を、匿名化して販売するビジネスが広がっている。製薬会社などは「医療の発展に必要」と主張するが、医師や専門家からは「個人が特定される恐れがある」と懸念の声が上がる。【向畑泰司】

 レセプト情報は主にデータベースとして商品になっている。ある大手製薬会社関係者によると、インターネットの専用サイトにIDとパスワードを入力し、病名や罹患(りかん)時期を入力して検索すると、年齢層別の患者数、薬剤の種類や平均投与量、同時にかかった病気などが分かる。新薬開発や販売戦略に利用するという。"

"レセプトは医療機関が健康保険組合に出す請求の明細で、患者の氏名、生年月日、病名、薬剤名などが記される。多くの健保は、加入者が過剰に受診していないかチェックしたり、薬の使用状況などから比較的安価な後発医薬品(ジェネリック)への変更を指導したりするため、レセプト情報を分析する専門業者に委託している。健保から分析業者への情報提供は個人情報保護法の例外とされているが、業者に対する国の許認可制度はない。"

確かに少ない罹患数の患者は母数が少ないので個人特定の恐れがあるが、損益を考えるとメリットの方が大きいと思う。

さらに、今の社会で溢れる情報を考えると別に診療明細でなくても個人を特定できる情報を多くの人は垂れ流していると思う。

「Chikirinの日記」では、以下に社会において自分の情報が溢れているかが分かる。
▼参考
2014-04-07何が「あなた」を表しますか?

さらに、診療明細以外にも自分の「内部」情報といえるものは数多くある。
今後ウェアラブルデバイスが一般的になると、自分の血圧や血糖値、ゲノム情報等を扱う健康管理が普及すると同時に、それらの情報が誰かに見られる可能性も高くなる。

自分の「外部」情報にしろ、「内部」情報にしろ、プライバシーを守ることはひどく困難になる。
▼参考
2000人以上の専門家が予測。今後10年間でインターネットが世界を変える9つのポイント【lifehacker】
2014/04/06 18:44


それでも気になる人が多いようであれば、むしろ診療明細を開示しないことをウリにした病院なんかが今後流行るかも知れない。

また、医療情報のビッグデータ解析で新たなサービスも生まれるかも。
不安も多少あるが、ワクワクする。

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