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カテゴリ: 医療・ヘルスケア



"3歳より前の記憶まで遡れる人は少ないと言われているが、この3歳前の記憶というのはほぼ7歳あたりで思い出せなくなることが明らかになった"

"この研究では大人に子供の頃の記憶を辿らせるのではなく子供の自伝的記憶の形成およびその喪失の追跡を試みたとのことで、まず3歳児に最近あった出来事を話してもらい、それを5~9歳の時に再び思い出して話してもらうという追跡実験が行われた。"

"会話は例えば誕生日パーティや動物園へ行ったことなど最近経験した出来事についてであり、保護者にそれについて日常の会話と同じように質問してもらったとのこと。その際会話の主導権を子供に持たせた場合の方が成長しても記憶がより鮮明に残ることが分かったという。 これらの記憶を記録後、子供達を5つのグループに分けてそれぞれ5歳から9歳の間に1回だけこの出来事について再び尋ねたところ5~7歳の間はその出来事の63~72%を思い出すことが出来たが、8~9歳になると35%しか思い出せなくなっていたとのこと。また5~6歳は出来事を思い出せる確率は高かったもののその描写は不完全であったが、年齢が上がるに連れて思い出せる確率は減ったものの辿れる記憶に関してはより詳細な描写が可能であったという。このことから長く残る記憶はディテールが細かく、言語スキルの向上とともに記憶を詳細に説明できるようになり記憶が更に残っていくサイクルが生まれると考えられるという。"

"乳幼児は記憶を利用して言語を習得したり自分の周りの世界を理解するようになるが、複雑な形で記憶を停めておく仕組みが発達していないことが近年分かってきたという。月日や曜日、また季節についての理解や出来事の地理的情報、また自己意識の確立や自分と他人の体験は違うことなどを理解した上で情報を一つにまとめるには強い神経プロセスが必要だが、これがまだ完成していないため複雑な自叙伝的記憶を形成するのが難しいと考えられるとのこと。"

子どもが大人になるにあたっての神経ネットワークを可視化できれば、どのように記憶が形成されるかが分かるかも知れない。

また、言語情報と映像情報は脳の異なる領域が働いているため、それらと記憶との関連性も興味深い。

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信じることの“脳力”:痛みの緩和だけではなく心地良さを増幅させるプラシーボ効果2014.1.30 THU


"「病は気から」と言われるように、心と身体は密接に関連している。薬の効果も同様で、偽薬の服用で症状が改善したと感じる「プラシーボ効果」はその一例だ。最近の研究によって、その効果は痛みの緩和だけでなく、心地よさを増幅させることにも効き目があると分かった。"

2014-04-24-17-27-21


"盲目的な暗示にかかると、人の脳は驚くべき薬をつくり出す。例えば「痛み止めの薬です」と、医者から処方された単なる“シュガーピル”があるとしよう。その偽薬を人々は本物の薬だと信じて飲み込み、数分後、何割かの患者は痛みからの解放にほっと胸を撫で下ろすことだろう。しかし、鎮痛剤でもないのに砂糖で痛みが薄れるのはなぜなのか。ただ単に痛みが薄れたと思い込んでいるだけだろうか、それとも体には何らかの物理的な作用が起こっているのだろうか。"

"今回の研究の基盤となったアイデアは、次の3つだ。"

"まず、「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)による研究では、プラシーボが主観に基づいたネガティヴな症状を緩和させているだけではなく、痛み、不安、不快な味など、脳内で嫌悪の刺激となる回路も抑制している」ということ。皮膚からの感覚情報は同じ神経回路(とりわけ、視床、一次・二次体性感覚地域と島皮質後方部)で処理されるが、プラシーボはこの回路に働きかけることが明らかになっている。"

"2つめに、「強い痛みから解放されれば、“快適”と感じられることがあるように、『痛み』と『心地良さ』は脳の賞与の回路において密接な関連があることが示唆されている」こと。"

"そして3つめは、「プラシーボによる緩和の度合いが人によりまちまちであるように、『心理的・環境的要因』は人間の主観的な知覚を大きく左右する」ということだ。"

"fMRIの分析では、痛みと心地良さの脳神経システムは、相互に作用すると共に、相互に抑制もしていた。心地良い音楽、食べ物、匂い、感触といったポジティヴな刺激は「無痛」を引き起こし、逆に「痛み」は喜びやポジティヴな感情を抑制するのだ。"

"プラシーボ(偽薬)は、強力な鎮痛作用があるオピオイド受容体を介する神経伝達を活性化することから、これまでネガティヴな症状の緩和に使用されてきたが、今回の研究で明らかにされたのは、何も偽薬でなくとも「脳の賞与の神経回路」に働きかければプラシーボと似たような効果を引き出せるということだ。落ち込んだ時に聞く“癒やし効果のある”音楽のように、いい匂い、美しい絵、心地よい感触なども、医療現場で患者の症状を緩和させられる可能性がある。 "

"この研究によるプラシーボ効果のポジティヴな側面は、医療現場のみならず、日頃の生活にも応用できるだろう。楽天的な人ほど、小さなことでくよくよせず、いつも幸せそうなイメージがあるが、事実、根拠はなくとも「なんとかなる」と信じこむ前向きなプラシーボが、ネガティヴな感情を感じにくくさせているのかもしれない。いずれにせよ、プラシーボは懐疑的であってはうまく働かない。人間の脳は、信じきることで秘められた可能性を明らかにするのだから。"

実際に強力な鎮痛作用があるオピオイド受容体を介する神経伝達を活性化するのは非常に興味深い。

治療が困難な病気など、もっと実用できそう。

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動物医療への応用可能性も示す3Dプリンティング


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"脚を失った動物が生きていくのはとても難しいことだ。しかし、カモたちは脚を失っても生きていけるようになるかもしれない。あるいは脚だけでなく、さまざまな部分を失うことになっても生きていけるようになるかもしれない。"

"3Dプリント技術を使って、カモのための義足が作れるようになっているのだ。作成したのはブリティッシュコロンビア州のシッカモスに住むTerence Loringというデザイナーだ。彼はリアルな「チキンファイト」で足を失ってしまったDudleyという子ガモの義足を作った。ちなみにLoringは現在、3Dデザインの3D Pillarという会社を経営している。"

"尚、ご存知かもしれないが3Dプリントで作った義足を使う鳥は他にもいる。Buttercupというアヒルが3Dプリントされた義足を身につけ、昨年あちこちで話題になっていた。
Loringは今回の成果をオープンソース化すると話している。"

"Loringによるデザインは、彼の会社である3 Pillar Designsのサイトからダウンロードすることができる。"

人だけでなく動物に対しても3Dプリントを用いた医療へのアプローチは勿論可能だ。あまり聞かないが、動物の再生医療ももっと充実するかも知れない。

もしかすると、動物に対してのウェアラブルデバイスも生まれるかも。

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2014/01/21(火)
アップルの人材引き抜きから見えた!iWatchで血液検査、iPhone 6は虹彩認証?


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"
9to5Macによると、アップルは最近、生体認証や医療用センサーの専門家2名を引き抜き、研究に取り組んでいる模様です。顔認証や、眼球の虹彩認証がiPhone 6や、期待のウェアラブルデバイス「iWatch」に搭載される可能性もあります。"

"今年初め、アップルは生体センサーの専門家2名を引き抜きました。その一人Nancy Dougherty氏は、Sano Intelligence社でハードウェア開発の責任者でした。同社は、針を使わずに紙ヤスリが皮膚にあたった程度の感触での手軽な血液検査を可能にする技術を開発するベンチャー企業です。"

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"もう一人は、医療機器企業Vital Connect社で研究開発担当副社長として生体センサー開発を率いていたRavi Narasimhan氏です。Vital Connect社は、心拍数や体温、睡眠やストレスの状態等を遠隔測定可能な多機能生体センサーの開発で実績があります。"

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"9to5Macは、両氏がアップルで担当する業務の詳細は不明ながら、アップルが生体センサー技術に注力していることは間違いない、と分析しています。"

"アップルが進めているとされる生体認証研究については、複数の情報があります。iPhone 5sに搭載した指紋センサーを、ホームボタンではなく画面に内蔵する研究や、眼の虹彩による個人認証の研究、コンパスや加速度センサーを顔認識の精度向上に活用する研究を進めているとの情報があります。これらの技術は、個人認証によるセキュリティ向上のほか、写真認識技術などにも活用されると考えられます。"

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"最近公開された特許情報では、昨年12月にアップルが顔認証によるデバイス制御技術の特許を取得しています。これは、顔を認識してパスワードの代わりにコンピュータ機器を制御する技術で、iPhone 5sで採用した指紋認証に続く認証方法として話題になりました。"

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"2014年早々に報じられた人気写真アプリSnappyCamの買収も、カメラの性能向上ではなく個人認証用ソフトウェアに技術を転用するのが目的とも考えられます。"

指紋認証がiPhone5sに採用されていることを考えると、顔認証や虹彩認証はかなりあり得そう。

血液検査は衛生面での課題や法律面での課題をクリアする必要があるため難しいかも知れないが、心拍数や体温、血圧等を測定・管理することはかなりあり得そう。

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2014/01/18 04:27

Googleがスマート コンタクトレンズを開発、血糖センサと無線内蔵の医療用。LED内蔵も検討
By Ittousai posted 2014年01月17日 08時56分


2014-04-22-04-27-40


"Google が「スマート コンタクトレンズ」の開発計画を明らかにしました。

Google の先端技術研究所 Google [x] が開発した Smart Contact Lens は、二層のソフトコンタクトに微細なセンサーとチップ、アンテナを挟んだ構造で、(当初の) 用途は医療用。

涙に含まれるグルコースを監視することで、糖尿病患者に血液検査より楽な血糖値管理の方法を提供するとともに、今後はLEDを内蔵して、着用者に血糖レベルの急激な変動を警告する機能も検討しています。"

"Google はスマートコンタクトレンズの試作品を完成させており、技術的にはまだ初期段階であるものの、すでに複数の臨床研究を実施したとしています。"

"さて、Google といえば Android OS の開発主体であり、年内にも市販予定の Google Glass など、ウェアラブル端末への積極的な取り組みで知られています。今回の Smart Contact Lens はあくまで医療用デバイスとしての発表ですが、センサとプロセッサ、アンテナにLEDを内蔵して外部機器と連携できるコンタクトレンズとなれば、医療以外での応用も期待したくなります。"

改めて思ったのだが、粘膜に抵抗なく着用するコンタクトレンズってすごい。

粘膜から人は色々な物を吸収したり分泌したりしているので、粘膜である眼球と抵抗なく接触できるコンタクトレンズの研究、開発は需要が大きそう。

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