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カテゴリ: 医療・ヘルスケア

健康な人の血液からiPS細胞 京大と日立が作製へ


京都大iPS細胞研究所(CiRA)と日立製作所は7日、健康診断を受けた健康な人から提供してもらった血液を元に、iPS細胞を作る取り組みを始めると発表した。作った細胞は匿名化した健診のデータと一緒に理化学研究所の細胞バンクに寄託し、医学研究に役立てるとのこと。

 "今月中旬にも日立が運営する日立健康管理センタ(茨城県日立市)で募集を始め、様々な年齢から100人程度の提供を目指す。iPS細胞はCiRAが作製し、費用も負担する。

 iPS細胞は無限に増やすことができ、体の様々な組織の細胞に変わる能力がある。CiRAでは、難病患者の細胞から作ったiPS細胞を細胞バンクに寄託し、病因や創薬の研究に使ってもらう環境整備を進めている。今後、健康な人のiPS細胞とその人の健康状態や病歴といった情報が加われば、患者の細胞などと比較が可能になる。(阿部彰芳)"

▼参考
 リプロセルは、慶応義塾大学と疾患型(遺伝子性の心臓病「QT延長症候群」)iPS細胞由来の心筋細胞に関する独占ライセンス契約を締結したと発表した。

 QT延長症候群は、不整脈で突然死につながる可能性のある遺伝性の心臓病で、患者心電図のQTといわれる波形の部分が健康なヒトよりも長いという特徴から「QT延長症候群」と呼ばれてる疾患。今回のライセンス契約は、「QT延長症候群」患者由来のiPS細胞から、病態を再現した慶応大学の先端技術を活用して、リプロセルが今年度内の事業化を目指すというもの。

リプロセルではこれまでに、ヒトiPS細胞由来の心筋細胞「ReproCardio2」を事業化していることから、同技術を取り入れることでさらなる差別化が可能になるほか、「QT延長症候群」の病態解明や新薬開発が大きく促進されるとしている。

人間のワーキングメモリーは一度に四つまでしか処理できないことが判明(米研究)


米研究によって、人間のワーキングメモリーは、一度に四つまでしか処理できないことが明らかになった。

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 "作業記憶とは、情報を一時的に保持し、その処理を行う構造や過程を意味する概念だ。短期記憶と混同されることがあるが、両者は別物である。短期記憶は、素材の操作や統合を行わないため、はるかに多くの情報を保持できる。

 一方、作業記憶は通常は限られた容量しか備えておらず、従来は七つの情報の塊しか保持しておけないと考えられてきた。これは、数字、文字、単語などを単位とするものであるが、何より記憶回路ネットワークが大変である。あろうことか、その容量は四つにまで減ることになった。

 従来の学説では、目からの視覚情報と耳からの聴覚情報は統合され、抽象的思考が発生する前頭葉に到達するとされていた。

 研究チームは機能MRI実験を実施してこの説を検証してみた。その結果、前頭葉にある大きな注意ネットワークは、一方は視覚、他方は聴覚のための二つの交互的な注意ネットワークであることが判明した。

 「視覚系は空間処理については素晴らしいのですが、時間処理についてはそこそこでしかありません。しかし、聴覚系では、時間処理が驚異的であるのに対して、空間処理については特に優れているわけではありません」とソマーズ教授は説明する。

 これは言い換えれば、例えば疾走する救急車など、ある人が空間内の物体を認識しようとしたとき、視覚は聴覚よりも優れているが、時間的間隔を把握しようとしているときは、聴覚が優れているということだ。
 
 だが、視覚的な手がかりなしで騒音の位置を思い出すなど、劣っている方を利用せざるを得ないときはどうなるのだろうか? チームはこの疑問についても取り組んでいる。実験では、被験者に聴覚を使った空間的作業と、視覚を使った時間的作業を行ってもらった。

 この実験からは、二つのネットワークが緊密に連携して、視覚ネットワークが空間内の出来事の認識を、聴覚ネットワークが時間経過的な出来事の認識を助けていることが分かった。

 「ある意味、私たちは空間情報が視覚的なものでなくても空間を見ているわけです。反対に、時間経過的情報が聴覚的なものでなくてもタイミングやリズムを聴いています」とソマーズ博士。こうした連携によって、視覚と聴覚は互いの容量を補強しているようだ。

via:dailymail.・原文翻訳:hiroching"

オキシトシン投与、自閉スペクトラム症に効果

 発達障害の一種で、相手の意図をくみ取ることが苦手な自閉スペクトラム症患者のコミュニケーション障害が、ホルモンの一種「オキシトシン」で改善することが行動や反応で確認されたと、東京大の山末英典准教授(精神医学)らが英科学誌に発表した。効果が実際の対人場面で確かめられたのは初めてとのこと。

 "オキシトシンは脳で分泌され、陣痛や母乳分泌を促す薬として使われている。研究チームは、自閉症の男性患者20人に、オキシトシンと偽薬を1日2回6週間、鼻に噴霧して効果を比べた。患者へのインタビューや、パズルやゲームを共同で行った際の表情や視線、会話などをチェックして点数化し、判定した。その結果、オキシトシンを噴霧した方が、重症度を示す数値が偽薬より約2割低かった。"

生きた細胞でがんを治す新治療。バイオテック企業の開発競争が熾烈

ジュノ・セラピューティクス社は、T細胞を患者の血中から採取し、がんを標的とするよう遺伝子改変を施してから静脈内に戻す治療を提供している。

"再発により通常の抗がん剤が効きにくい急性リンパ性白血病に用いたところ、90%の患者でがん細胞が消失したのだ。そのような症例が寛解に至る確率は、通常は10%に満たない。

このような成果が追い風となって、ジュノ・セラピューティクスという企業が2014年12月、創設1年4カ月にして新規株式公開(IPO)を果たし、3億400万ドルを調達した。

ジュノ・セラピューティクスはベンチャーキャピタリストやアドバイザーによって創設された企業で、先述のシアトル小児病院のほか、フレッド・ハッチンソンがん研究センターやニューヨーク、メンフィスの病院で開発が進められている実験的なT細胞療法のライセンス権を取得している。

折りしも、バイオテクノロジーや免疫療法の関連株がかつてないほどの活況を呈している絶好のタイミングで、がんの治療法を扱うジュノ・セラピューティクスが実施したIPOは大成功を収めた。バイテク業界では、史上最大級のIPOのひとつに数えられる。

免疫系を利用してがんを攻撃するいくつかの新たなアプローチの中でも、最も画期的なのがT細胞療法だ。アイデアとしては古く、かつては行きづまりとみえた免疫療法が、4年ほど前から驚くべき成果とともに盛り返している。

新たに商業化された「免疫チェックポイント阻害薬」(Immune Checkpoint Inhibitor)は、これまで助かる見込みのなかった、まれな皮膚がんや肺がんの治療に効果を上げている。

メルクとブリストル・マイヤーズ・スクイブから販売されているこの種の薬は、すでに6万人を超える患者の治療に用いられている。

免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞ががんを敵とみなすことを妨げている分子の「ブレーキ」を解除することで作用するもので、免疫系を用いたがんの治療は可能であることを証明する存在だ。

これに対して、T細胞の遺伝子を改変してがんを攻撃させるというジュノ・セラピューティクスのテクノロジーは、まだ初期の実験的な段階にある。IPOを果たした際、同社は、白血病とリンパ腫の患者わずか61人分のデータしか公開していなかった。

ジュノ・セラピューティクスは、アマゾンが本拠を置くワシントン州シアトルのサウス・レイク・ユニオン地区にあり、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは同社の初期投資者だ。"

よく増えるインフルエンザウイルス開発 東大、培養細胞で

 培養細胞でよく増えるインフルエンザウイルスを東京大の河岡義裕教授らが開発した。鶏卵を使う現在の手法より効き目の高いワクチンを効率よく作れるという。毎年流行するインフルエンザウイルスだけでなく、新型が突然流行しても素早くワクチンを作れるようになると期待している。
米ウィスコンシン大との共同研究成果。英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に2日発表した。

 "インフルエンザのワクチンは一般的に、鶏の有精卵にウイルスを植え付けて作る。この手法はウイルスがよく増える半面、途中でウイルスにわずかな変化が起き、ワクチンの効き目が下がるケースがあった。

 研究チームは遺伝子からウイルスを合成する技術を使い、培養細胞でもウイルスがよく増えるようにした。ウイルスの増殖性を高める遺伝子変異を突き止め、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)や季節性のウイルスなどを作った。

 これらをイヌやサルの腎臓細胞に感染させ、よく増えることを確認。H5N1型は能力を高める前と比べてウイルス量が約220倍になった。増やす途中で変化が起こる恐れも少ないという。培養細胞をワクチン作りに活用する手法はこれまでもあったが、生産効率が低いのがネックだった。"

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